塩の効用と使い方

塩は味噌、醤油などにも使われているくらい料理の基本を占め、最も味を左右する大切な調味料です。

食べ物の味付けに用いるだけでなく、調理する時においていろいろな使い方があります。
塩梅と書いて「あんばい」と言う言葉があります。

【塩の調理における使い方】

①他の味を強めたり、マイルドにしたりする働き

塩の塩味と梅の酸味を合わせると味がよくなると言う意味です。
寿司や酢の物など、酢を使った料理に塩は欠かせないものですね。
合わせ酢では塩は酢の6~8%、お汁粉やおはぎのあんこなど、甘みを強めたい時はほんの少々、砂糖の0.5%の塩を入れると味がぐっと締まります。

ふかし芋やスイカに塩をふると、塩を砂糖や酢と一緒に用いた対比作用が働き、他の味を引き立て甘みを引き出し、一層美味しい味になります。

日本食でよくダシ汁にひとつまみの塩少々とありますが、これは塩がグルタミン酸やイノシン酸などの旨味を引き立て、だしの風味が格別美味しくなります。

 

②タンパク質を固める働き

アワビやタコなど表面に強いぬめりがある魚介類を洗う場合は、塩を強く振ってこするとぬめりが取れます。
ぬめりの成分はタンパク質なので塩分を用いると凝固するためです。

魚などのぬめりがついたまな板を塩て磨くときれいに落とすことができます。

ゆで卵を作る時にひとつまみの塩を入れるのは、塩にタンパク質を固める作用があるからで、卵が割れても卵白が流れ出るのを防ぐためです。

同様に落とし卵の場合もお湯に塩を少々入れておくときれいに固まります。

里芋をぬめりが出るまで塩て揉んでから茹でるとぬめりの成分が固まります。
これはぬめりはタンパク質性のもので塩と一緒に加熱するときれいに洗い落とすことができるためです。

 

③グルテンの形成を促して麺類に弾力を与える。

スパゲティーや乾麺等の麺類は小麦粉のタンパク質が粘りのあるグルテンになっています。
茹でる時に塩を入れるのは、塩はグルテンの形成を促して麺類に弾力を与える作用があるため、麺類の弾力(コシ)を失わせず、美味しく仕上げるためです。

 

④色彩を鮮やかにさせる働き

ほうれん草、ブロッコリー、小松菜等の青菜を茹でる時にひとつまみの塩(お湯の1~2%程度)を入れると、野菜に多く含まれるクロロフィル(葉緑素)が熱で壊されるのを防ぎ、青々としたきれいな緑色に茹で上がります。

またエビやカニはさらに鮮やかな紅色に茹で上がります。

 

⑤温度を上昇させる働き

焼き魚に塩を振るのは、臭みの少ない新鮮な魚の場合は、焼く直前に塩を振ります。

鯖やイワシなどの青魚、もしくは鮮度の落ちた魚は臭みが強いので約10分から15分前に塩をふり、出てきた水分をふいてから焼きます。

魚に塩を振って焼くのは、塩によって温度がさらに上昇して中の旨味が閉じこめられ、ふっくらと美味しく焼き上がるためです。

 

⑥浸透圧・脱水作用の利用

きゅうりの塩もみなど、野菜を塩もみすると、塩の持つ浸透圧・脱水作用により、野菜に含まれている水分を引き出し、きつく水気を絞ることによって柔らかく味付けの効果を高めます。

 

⑦酸化酵素の働きを抑制

りんごをそのままに放置しておくと褐色に変色してしまうのは、りんごに含まれるポリフェノールが空気に触れて酸化酵素が働くためです。
塩水につけることによって、酸化酵素の働きを抑え変色を防ぎます。

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